高校・地域連携型の公立塾である「隠岐國学習センター」(海士町大字福井)の新校舎がこのたび完成し、4月7日(火)に竣工祭および竣工式が行われました。
(↑)式辞を述べる山内道雄海士町長
(↑)式典後の餅投げ。100人以上の島民が集まって完成を祝いました。後ろに見える新校舎は木造で一部2階建て、屋根は石州瓦葺き
隠岐國学習センターは、離島の過疎地域が抱える都市部との教育格差の解消や子どもたちの自己実現をサポートすることを目的に、2010(平成22)年に空き家を借りて開設されました。
開設から4年が経ち、当時は約30名だった塾生も今では100名以上(隠岐島前高校の1~3年生)となり施設が手狭になったため、より島前高校に近い場所にある築100年の古民家を改築・増築して新校舎とし、移転することとなりました。
《2010年7月 開所式のテープカットの様子》
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完成した新校舎には、次のような3つの想いが込められています。
【1】地域と共に育てる!
…多様な人との交流を通して子どもたちがさまざまなことを学べるよう、玄関にあたる場所に「通り土間」と呼ばれる交流スペースを作りました。地域の人や島外からの訪問者と「共に学べる空間」を目指しています。
【2】地域の担い手を育てる!
…島前高校と共に地域をより良くしていく人材を育てたい、という想いから、幕末に多くの優秀な人材を輩出した吉田松陰の『松下村塾』にならって、同じ間取りの小さな8畳間を設けました。ここで塾生たちは未来を語ります。
【3】『継承する心』をカタチにする!
…学習センターが担う役割の中に、「地域を継承する人づくり」があります。新校舎は、地域文化への敬意と「継承」という理念を実現するために、もともとこの場所にあった築100年の古民家を利用する形で建設しました。
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竣工式の式辞で山内町長は、「地域に支えられた若者たちが、いつの日か地域や日本、世界で活躍できるグローカル人材となって、志を果たし『に』この地に戻り、島の伝統文化を受け継いでもらいたい」と希望を述べました。
また、センター開所から今日まで尽力してきた豊田庄吾センター長は、関係者各位に深い感謝を述べ、「本気でこの建物に魂を吹き込むことができるのか。この島前を担う人材を育てていく覚悟があるのかと、自らに問い、やり抜こうと誓った。島前高校と寮(交流センター)、そしてこの学習センターで“三位一体”の教育を目指す」と、並々ならぬ決意を表明しました。
新・隠岐國学習センターは、隠岐島前高校の生徒を中心とした子どもたちの学習施設であると同時に、地域住民はもちろん来島者の皆さんにも開かれた、『大人も子どもも共に学ぶ』交流施設でもあります。
交流スペースは塾生だけでなくすべての方に使っていただけますので、ぜひお気軽にご利用ください。
隠岐國学習センター 【℡】08514-2-0310