Library of the Year 優秀賞
海士町中央図書館 〝島まるごと〟分散型図書館サービスの先駆例
11月7日(金)、これからの日本の公共図書館のあり方を示す先進的な機関に授与される賞「Library of the Year(ライブラリー・オブ・ザ・イヤー)2014」(NPO法人知的資源イニシアティブ主催)の公開最終選考会がパシフィコ横浜で行われ(※1)、プレゼンテーションと審査員投票の結果、海士町中央図書館は「優秀賞」となりました。
(※1) 今回は32施設・団体の中から選ばれた4機関が「優秀賞」として「大賞」の選考対象となっており、最終選考会は第16回図書館総合展の一環として実施されました
海士町中央図書館が開館したのは平成22年10月で、田園風景が広がる大きな窓がトレードマーク。広さ200平方㍍と決して広くはありませんが、「館内が明るくて心地よい」 「木造で落ち着く」と絶賛するファンも多い、町民に人気の場所です。
このたび高い評価を受けたポイントとしては、学校や地区の公民館、福祉施設など島内12ケ所の図書スペースを効果的に繋いで利用を促す『島まるごと図書館構想』 (平成19年度~) を基盤に、クラウドファンディング(=ネット募金)という新しい手法を活用して全国から支援金を獲得し、蔵書の充実に成功したことなどが挙げられます。(※2)
(※2)海士町では寄付額に応じて特産品などを贈ることにし、想いを訴えて平成25年10月末に募集したところ、多くの共感とともに募金の申し出が続出。最終的に93人(うち78人は県外者)から124万円が集まり、300冊以上もの本が寄贈されました。
なお海士町中央図書館は昨年も、「子どもの読書活動優秀実践図書館」として文部科学大臣表彰を受けており、過疎の町の図書館振興の先駆的モデルとして全国に広く知られるようになりました。最近では館内でのイベント開催など活用の幅が広がり、本を介した島民どうしの交流もたくさん生み出しています。
海士町では、「個人が人間性を高める手段として、図書館サービスの充実は離島でも都会に勝てる一要素」(佃教育長)と考え、島のまちづくりの一環として、〝図書館を軸とした人づくり〟を引き続き進めて参ります。
海士町中央図書館 (担当:磯谷)
【℡】08514-2-1221 【Fax】08514-2-1633