平成31年4月18日(木)、海士町役場にて、アンター株式会社と海士町との協定調印式を行い、離島医療の持続可能な体制の構築にむけた協定を締結しました。
■経緯と概要(海士町長・大江和彦の挨拶より抜粋)
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町内唯一の医療機関である海士診療所では、現在2名の医師と7名からなる看護師チームで、一般診療はもちろん、在宅医療やターミナルケア(がん患者に対する看取り医療)にも力を入れるなど、人口約2300人の離島医療を24時間体制で守っています。
言うまでもなく、海士診療所とそこで働く全ての人材は、全町民にとって、命と健康と暮らしを守り続けてくれる“なくてはならない存在”です。
平成31年1月、アンター株式会社より、同社代表であり現役の整形外科医でもある中山医師ら3名が来島され、医師や看護師を含めた診療所職員、役場職員、町民との意見交換が行われました。ここで見えてきたのは、診療所や役場の健康福祉課が積み重ねてきた数々の取組みの実績と、医療現場が抱える解決するべき複数の課題でした。
海士町では町民の健康や暮らしを守るため、長年にわたって同一の医師が島に居住し、安定した医療・福祉体制を支えてきました。そのおかげもあり、町としては医師問題を考えることなく、産業や教育などその他の課題解決に専念してこられました。結果として多くのUIターン者を迎え入れ、活気あるまちづくりにも取り組むことができました。
しかし数々の医療現場を知る中山医師や藤井医師との意見交換によって、この環境は私たち町民にとって当たり前ではなく、現職医師をはじめ医療・福祉関係者の献身的な努力によって維持されており、これからの持続可能な医療・福祉体制の再構築が喫緊の課題であることが明らかになりました。
このような中で行われる今回の協定締結は、海士町の医療現場が直面している「医師の後継者確保」、医師を確保した後の「新任医師の専門外の疾病に対する知見や情報不足への支援」、「医師の働き方の見直しや負担の軽減」など、顕在化しつつある複数の課題を解決し、離島医療の持続的な体制構築を目指すものです。
海士診療所長・榊原医師の「患者さんの病気とだけではなく、生涯と関わる」という理念を守るために、今後、町としてこの島の医療のあるべき姿を想定し、関係者同士の協議を深めながら、新しい仕組みや価値ある資源を積極的に取り入れていきたいと考えています。
「つながる力で医療を支える」という高い志をもつアンタ―株式会社とのこの協定締結が、海士町のみならず、離島やへき地の医療現場を担う全ての医療従事者の負担軽減や働き方の質の向上と共に、そこに住まう人々が安心安全に暮らせる医療体制づくりの一事例となるよう、その推進に努めます。
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《ご参考》
■プレスリリース「離島医療の持続可能な体制の構築にむけ、海士町が医療ベンチャーと協定締結」(500KB)
■アンター株式会社について
→公式HP
→Antaa Facebook/調印式について
■海士診療所→公式HP
海士診療所 事務所
【℡】08514-2-0212(松前)