9月9日(日)、京都造形芸術大学(徳山詳直理事長)の映画学科『北白川派』が制作した映画『カミハテ商店』(山本起也監督、高橋惠子さん主演)の〝海士町凱旋上映会〟が、隠岐開発総合センターの島民ホールにて行われました。
『カミハテ商店』は、2011年の冬に海士町の崎地区などを舞台に撮影された映画です。高橋惠子さん23年ぶりの主演作品で、シンガーソングライターのあがた森魚さんなど個性派キャスト、また映画学科の学生(当時)らも重要な役で出演しています。
ヨーロッパ最大級の映画祭「第47回カルロヴィ・ヴァリ国際映画祭」メインコンペティション部門に見事招待され、惜しくも受賞はならなかったものの、映画祭デイリーの採点表では国際ジャーナリスト3名が満点をつけるとともに平均点でもコンペ12作品中No.1という最高の評価を受けました。
このたびの海士での上映会は、全国に先駆けて一般向けの初お披露目となりました。
(↓)上映会に合わせ、役場庁舎の壁に垂れ幕を掲示。国際映画祭で使用されたもの。
13:00からと16:30からの2回上映で、各回多くの島民が集まりました。
メインのロケ地となった崎地区の皆さんは、撮影で長期滞在していた映画スタッフ(学生含む)との交流も深く、今回の上映会にも区長さんほか大勢の方が来場しました。
上映前に挨拶をした、山本起也監督。
「映画は机上で考えているだけでは作れない。全面的に協力して下さった、地域の皆さんのおかげです」
「2年半かかりましたが、海士町で上映させていただく今日この瞬間に、僕の映画は完成すると思っています」
と、篤い感謝の気持ちを語りました。
バスの運転手役を好演したあがた森魚さんも舞台挨拶。
1回目の上映後に行われたミニライブでは、デビュー曲『赤色エレジー』のほか、『最后のダンスステップ』、『佐藤敬子先生はザンコクな人ですけど』などの名曲を披露し、会場を盛り上げました。
映画『カミハテ商店』の舞台は、山陰の小さな港町、上終(カミハテ)。
自殺の名所になってしまった断崖絶壁の近くに立つ一軒の古い商店でひっそり暮らす初老の女性、千代(高橋惠子さん)が、見知らぬ訪問者たちとの関わりあいを通じて、少しずつ変化していく姿が、静謐なタッチで描かれます。
「この作品が伝えたいことは、ほんのちょっとの希望や、人と人とのつながり。今こういう時代の中で、我々が生きるヒントが含まれているんじゃないか」(山本監督)
11月以降は松江東宝5、東京の渋谷ユーロスペース、京都シネマほか、全国の劇場で順次上映されます。お近くの劇場で、是非一度ご覧下さい。
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