11月27日、海士町内の隠岐開発総合センターにおいて、京都の料亭「草喰なかひがし」店主の中東久雄さんと、有機野菜などの宅配を行う「大地を守る会」の藤田和芳会長という、‘食べもの’に対して真摯に向き合うお2人による対談イベントが開催されました。
対談テーマは、『大地に根ざして生きる』。主催は、教育事業やWebサイト運営などを手がける地元企業「巡の環」です。
(共催:草喰なかひがし、株式会社大地を守る会、株式会社ふるさと海士、海士町)
(写真)壇上の3名、左から藤田さん、中東さん、巡の環代表の阿部裕志さん。
当日は、山内道雄町長をはじめ60名以上の観客が島民ホールに集まり、中には漁業や農業に携わる皆さんも来場しました。
「生産者が一番えらい」と口をそろえる中東さんと藤田さんが、今だからこそ大切にしたい日本の食文化や、食糧を自給できる海士の素晴らしさ、効率主義に偏った現代社会への警鐘など多様なテーマで語り合い、お2人の示唆に富む言葉の数々に会場では深い共感が生まれました。
「島のおばちゃんたちならではの豪快なイカ料理、実においしかった!食べることは生きることであり、明日へのエネルギー。この海士に来て、まさしく‘生きるための料理’をいただいた」
「グローバリズムに向かう流れから降りるのも選択肢の一つ。巨大市場へ売ろうとするだけでなく、ちゃんとした食べものを作り続け、海士を信頼してくれる人へ丁寧に売っていくのが最強のマーケティングでは」
(写真)当日は対談の様子がインターネットで中継され、ツイッターの書き込みが会場スクリーンにリアルタイムで映し出されました。
食の安全にこだわる「大地を守る会」では既に、(株)ふるさと海士のCAS商品の取扱いを始めており、また、自然の恵みを存分に生かす料理人として名を馳せる中東さんには、今回の海士来島をきっかけに地元野菜を使った(株)ふるさと海士の新商品開発にアドバイザーとしてご協力いただきました。
山内町長は今回の対談について、「‘食’を自給できる島という、私達の土台の大切さを再確認できる有り難い機会だった。お2人と海士町とのご縁を大切にしたい」と語っています。
海士町ではこれからも、島の恵みを大切にした産業振興と地域活性化に取り組んでまいります。
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なお、巡の環は11月26~28日に海士町内で『新しい生き方を味わう旅』という体験型ツアーを開催しており、この対談はその一環として企画されたものです。
ツアーでは、崎地区の大敷で定置網漁業を体験したり、島のお母さんによる料理教室、保々見地区での野菜の集荷、実際に鶏をさばいてみんなで鶏料理を食すなど、気付きや発見、出会いと交流を促すさまざまなプログラムが行われました。
下記に、そのツアーの一部をご紹介します。
■保々見地区で早朝の野菜集荷体験。
ツアーの昼食会に使う野菜も仕入れました。
「野菜、かわいいでしょ」(中東さん)
「そうやねぇ楽しみです。ええ子に育てばいいけど…」(おばあちゃん達)
■あまマーレで鶏さばき体験、焚き火、昼食会。
鶏は、地元民宿「但馬屋」さん提供。
地元の希望者も参加して、鶏をしめてさばく体験を行いました。
「首を回す瞬間の感触を忘れないで。
これが命ということですので…」(中東さん)
「いきものが、たべものになる瞬間ですね」(ツアー参加者)
一方では、竹を割って酒器を手作り。
焚き火を囲んで、ツアー客と町民との会話も弾みました。
熱燗も絶品。
すべての準備が終わったら、みんなで昼食会。
朝に保々見でいただいてきた野菜と、さばいたばかりの鶏を使った「かしわのすき焼き」を、中東さん指導の下で作りました。
「いのちを、ありがたく、いただきます!」と全員で合掌。
「最後まで大切にいただこう、という気持ちがわいてきますね」(ツアー参加者)
「野菜が甘い!ネギがおいしい!」(同)
「肉の弾力がすごい。新鮮ってこういうことなんですね」(同)
食後はみんなで座談会。
ツアー中に感じたことや発見、食にまつわること以外にもさまざまなテーマで、時間の限り語り合いました。
■そして、菱浦港でのお別れ。
「ありがとう。また!」
※このツアーの報告は、巡の環のHPでもご覧になれます →コチラ
※海士町では、この対談とツアーの様子をすべて撮影し、番組を制作中です。 海士町の自主放送「あまコミュニティCh(チャンネル)」で放映予定ですので、町内の方はどうぞお楽しみに。(放送日は未定です )
株式会社 巡の環(担当:叶) 【電話】08514-2-1966