10月3日~5日の日程で、NPO法人「日本で最も美しい村」連合の「2013フェスティバル」が海士町で開催されました。
フェスティバルでは例年、連合の臨時総会や新規加盟村承認セレモニーなどが行われますが、今回はそれに加えて海士オリジナル企画として、4日(金)に、「島(あま)の経営会議」と題したシンポジウムを実施しました。
海士町では役場を「企業」ととらえ、役場管理職の戦略会議を「経営会議」と呼んでおり、今回のシンポジウムのタイトルもその慣例から引用したものです。
今回のフェスティバル参加者は、全国の連合加盟町村長や企業サポーター、自治体職員など、のべ約230名。
臨時総会で承認された新規加盟団体は、小砂(こいさご、栃木県那珂川町)、松崎町(まつざきちょう、静岡県)、和束町(わづかちょう、京都府)、高森町(たかもりまち、熊本県)、球磨村(くまむら、熊本県)の5町村・地域で、各代表者は「日本で最も美しい村」宣言を行い、サッシュと認定証の交付を受けました。
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最上段左、承認セレモニーで進行役を務めた山田泰司事務局長。右、小砂。
2段目左、松崎町。右、球磨村。 3段目左、高森町。右、和束町。
各代表者の両側、向かって左が浜田哲会長(美瑛町長)、右が河津修司副会長(南小国町長)。
続く基調講演では、京都府立大学大学院生命環境科学研究科の宗田好史教授が登壇し、「なぜイタリアの村は美しく元気なのか」をテーマに、スローフードやスローシティの理念・方針、それにまつわる政策の転換と農村の変遷を解説。 今後日本でも、「日本で最も美しい村々」が総合力を引き出していくためには、地域の美しさを美味で伝える「スローフード」や「アグリツーリズモ」(美しい田舎の観光)、小規模でも先進的な「新時代の農業」へのチャレンジが必要であること、そのためにIターンなど新住民が活躍する余地が大きいことを示しました。
また午後からは、美しい村連合理事、カルビー(株)相談役でもある松尾雅彦氏が特別講演を行い、各地の美しいまちづくりの先進事例を紹介しつつ「自給圏」形成の重要性などを説きました。
(↑)宗田好史氏の基調講演
(↑)ランチには、寒シマメ肝醤油漬けなどのCAS商品を中心とした地元食材の特製弁当を提供
(↑)会場に隣接する海士町中央公民館で特産品の展示販売会を実施
(↑)同館内で、美しい村連合の全加盟団体紹介パネルと2013フォトコンテスト作品を展示
(↑)松尾雅彦氏の特別講演
午後2時からのシンポジウム「島(あま)の経営会議」は、山内道雄海士町長に続き、町役場課長陣が海士町の取り組みを紹介。 大江和彦産業創出課長、吉元操財政課長(高校魅力化プロジェクト担当)、青山富寿生交流促進課長(海士町観光協会事務局長)の3名が発表しました。
そしてパネルディスカッションでは、国土政策や農林業、環境分野の有識者の方々がパネリストとして登場し、「品質基準なくして地域ブランドなし」をテーマに意見を述べ合いました。
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左、コーディネーターの玉沖仁美氏(株式会社 紡 代表取締役)。
右、若林陽介氏(国土交通大臣官房審議官)、末松広行氏(林野庁林政部長)、藤田壮氏(国立環境研究所 社会環境システムセンター長)。
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シンポジウムの後には観光協会スタッフによる島ガイド(バスツアー)。
夜は菱浦港のキンニャモニャセンターに会場を移し、海士の伝統文化である隠岐島前神楽(おきどうぜんかぐら)の披露や、CAS凍結の特産品を堪能していただきながら交流を深める「島の直会(なおらい)」など、海士ならではの企画を用意。 島民による手作りのフェスティバル、島らしいおもてなしで、参加者の皆さまに海士町の魅力を伝え、大いに楽しんでいただくことができたようです。
(↑)キンニャモニャセンター2階、女子美術大学による作品展示コーナー
(↑)(↓)キンニャモニャセンター外に特設舞台を設置して行われた隠岐島前神楽
(↑)(↓)「島の直会」の様子。海士名物・CAS凍結の岩がき「春香」は今回も大人気でした。
北は北海道から南は沖縄まで、全国各地から遠路はるばるご来島いただきました「日本で最も美しい村」連合加盟団体ほかフェスティバル参加者の皆さま、誠にありがとうございました。
海士町は今後も、「日本で最も美しい村」連合の一員として、将来にわたって美しい地域であり続けるため、‘小さくても輝くオンリーワン’の島を目指して活動してまいります。
なお、連合の次回定期総会は2014年5月29日(木)に京都府伊根町にて、次回フェスティバルは2014年10月上旬に福島県北塩原村にて開催予定です。
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