海士町が資金拠出をしている一般社団法人海士町未来投資委員会(島根県隠岐郡海士町)は、運営する「海士町未来共創基金」の2021年度事業として、2件の投資決定を致しました。
同基金事業は海士町ふるさとづくり寄付条例に基づき設置されており、人づくりと仕事づくりの好循環をつくる、という目的で2021年度より本格始動しています。
島根県沖の隠岐諸島の一つ海士町(島前・中ノ島)は、「ないものはない(=大事なものはすべてこの島にある/ないものは自分たちでつくる)」精神で、地域の資源を活かしたものづくり(産業)、人づくり(教育)、仕事づくり(雇用創出)に挑戦し続けてきました。
この「人づくり」と「仕事づくり」の好循環をさらに促進するために、海士町未来共創基金は、海士町へのふるさと納税を原資に、島の未来に繋がる事業へと投資・共創を行うために設置された基金です。同基金の事務局運営業務をAMAホールディングス株式会社が担って公募や審査会の運営、広報業務などを行っています。
第1回の応募・審査となった2021年度事業としては2件の事業に対しての投資方針を決定しました。
ナマコは海の掃除屋と呼ばれており、ナマコを増やすことは、生態系豊かな海の環境を少しでも長く維持することにつながります。本事業では育成場の設置を機に、適切な資源管理など考えながら未来にナマコを残し自然と共存する姿を維持したいと考えます。
このまま採るだけの漁業を続けるとナマコは年々減少していくことが予想されます。本事業では、漁港を使用しナマコの育成場を作り、いわがきの養殖施設に人口藻を装着し、着生したあと育成場に移動させ稚ナマコから外敵に捕食されづらくなるサイズまで育成した後、放流場所を数か所決め放流する、という事業です。
全国的にアクティビティを求める傾向が強まっており、海士町でも遊漁などの需要が高まっています。しかし、海士町内には気軽に釣りを体験できる遊漁船は少なく、観光客の満足度やリピート率に影響しています。
本事業で、遊漁船をはじめとするマリンボート事業を展開して、海士町の観光コンテンツの充実を図ります。他方で海士町内において水産業に従事する若者の減少が問題となっています。水産業の方を中心に副業という形で船長を集め、収入の安定化につなげます。また、島内の若者が海に接する機会を作り、若者にとって海を身近なものにしていきたいと考えています。
「海士町未来共創基金」は、2021年度事業については上記2件の投資を決定、今後事業を開始します。同基金としては今後も継続的に事業を募集し、ふるさと納税を活用する形で、この事業プロセスを海士町の関係人口でもある納税者の皆さまに公開しながら、島の未来への挑戦し続けたいと考えています。
◆AMAホールディングス株式会社
(一社)海士町未来投資委員会の事務局業務を担う。観光、教育、産業、行政間の、より早い意志決定、より強い連携を行うため、海士町長を代表取締役として設立された。海士町の「攻め」の政策を担う組織として、外貨獲得および町内還元のため、現在はふるさと納税事業と未来投資事業を主な事業としている。
◆海士町へのふるさと納税について
海士町へのふるさと納税は下記の各種ウェブサイトからご利用いただけます。お申し込みいただく際に、「海士町未来投資基金に関する事業」をお選びいただくと「未来投資基金」として活用されます。一人でも多くの皆さまにご賛同いただき、島の未来への応援団になっていただければ幸いです。
◆海士町について・持続可能な島づくりを目指して
海士町は、「自立・挑戦・交流」を町政の経営指針に掲げ、「ないものはない」を合言葉に、島国であるが故の価値や生き様を島内外に発信しながら、様々な分野で島の生き残りをかけた挑戦を続けています。
これからも引き続き、島の歴史や伝統文化を「継承」し、島に根付いた半農半漁の暮らし、地域の絆や信頼から生まれる支え合いの気持ちを大切にしながら、「団結」して、みんなでしゃばる島づくりを目指していきます。
<町政指針>
自立・挑戦・交流×継承・団結 〜心ひとつに!みんなでしゃばる(引っ張る)島作り〜
<海士町らしい価値観>
「ないものはない」(なくてもよい、大事なことはすべてここにある)
海士町役場交流促進課 電話:08514-2-0017