【観光×挑戦】
地方創生で知られる島根県隠岐諸島の1つ、海士町に、隠岐世界ユネスコジオパークの「泊まれる拠点施設」として「Entô」が2021年夏にOPENします。ジオパークの拠点機能と、その絶景を享受できる宿泊機能。2つの機能を中心に、従来のリゾート施設とは一線を画すまったく新しい価値観の複合施設として運営します。また、建材としての性能の高さに加え、SDGsでも推奨される最小限の工程での施工を実現する全面CLT工法(Cross Laminated Timber)を、宿泊機能を持つ大型施設の建て替えとしては国内初採用をしています。離島の新しい木造建築施工の在り方として注目を集めています。
海士町は、コロナ禍においてもなお、新たな観光の挑戦を続けます。日帰りが難しい離島での観光需要の取り込みは、宿泊施設が鍵を握っています。海士町では、2015年より、宿泊施設の開発に重点を置き、5年かけて今回の投資にたどり着きました。人口2,300人の小さな島での新たな大型宿泊施設の建設には島民から事業に対する様々な考え方・捉え方がありながらも、対話を重ね、2021年夏ようやく完成します。
海士町は、2013年9月にユネスコ世界ジオパークに認定された島根県隠岐郡隠岐諸島の隠岐ユネスコ世界ジオパーク内に位置しています。同ジオパークの「泊まれる拠点施設」として「Entô」をオープンします。付加価値を足していく、いわゆる都市型のラグジュアリーから、次の時代の豊かさへ。本土からフェリーに揺られること約3時間。都市から遠く遠く離れた、地球にぽつんと浮かぶ隠岐の大自然を最高級の価値として、「なにもない」という新しい旅の贅沢、豊かさを提供する。
ハード施設はSeamless(隔たりや境目のないこと)、Honest(正直さ、素直さ)をコンセプトに、宿泊機能を持つ施設としては国内で初めて先進的な木質パネルCLT(Cross Laminated Timber)を全面に用いた建築に挑戦しました。 ソフト面においては「島まるごと観光」をキーワードに、島の玄関口における案内役として、また、フィールドワークへの架け橋としての機能を担います。ハード・ソフト2つの相異なる要素を複合施設の中で実現します。
地方創生で知られる島根県隠岐諸島の1つ、海士町が、隠岐世界ユネスコジオパークの「泊まれる拠点施設」として「Entô」を2021年夏にOPEN。ジオパークの拠点機能と、その絶景を享受できる宿泊機能。2つの機能を中心に、従来のリゾート施設とは一線を画すまったく新しい価値観の複合施設として運営します。また、建材としての性能の高さに加え、最小限の工程での施工を実現する全面CLT工法を、宿泊機能を持つ施設として国内初採用。島嶼地域の新しい木造建築施工の在り方として注目を集めています。
180の島々が集まり4つの有人島からなる日本海の離島、島根県隠岐諸島に、2021年7月、新施設が誕生します。4島のひとつ、人口約2300人の海士町(あまちょう)にはホテルはマリンポートホテル海士の1軒のみで、その起源は1971年に誕生した県営の国民宿舎・緑水園に遡ります。同宿舎が開業して23年が経過した1994年に、観光を基軸に地域振興、雇用の場の確保をはかるため島根県より緑水園を買取り、現在の本館を増築しマリンポートホテル海士と改名、本館、別館(緑水園)として、数多くの観光客を受け入れてきました。
その後、海士町は2017年に「海士町観光基本計画」を制定、日帰りが難しい離島観光の最重要施策は宿泊施設の充実であり、インバウンドを含めた今後の需要に対応できるよう、48年に渡り使用されてきた別館を解体し新施設の建築を企図する「ホテル魅力化プロジェクト」を立ち上げました。海士町政史上最大規模の投資額に、当初島民の反対も少なくはなかったものの、様々な対話を続け海士町が取り組んできた「人づくり」と「仕事づくり」をつなげる舞台として実現に至りました。
隠岐諸島は世界44ヵ国161地域のユネスコ世界ジオパークの一員として、隠岐特有の「大地の成り立ち」「独自の生態系」「人の営み」というテーマを掲げ、雄大なジオパークの魅力を世界中へ発信しています。Entôは、ジオパークの拠点機能(展示・フィールドワーク)と、その絶景を享受できる宿泊機能を持つ「泊まれる拠点施設」として運営します。加えて、島を訪れる観光客と島民の交流施設としての役割も担います。
同施設は、隣接するマリンポートホテル海士本館と一体を成し、2021年7月より「Entô(読み:エントウ)」という名称になります。付加価値を足していく、いわゆる都市型のラグジュアリーではなく、都市から遠く遠く離れた、地球にぽつんと浮かぶ隠岐の大自然を最高級の価値として、「なにもない」という新しい旅の贅沢、豊かさを提供する。海士町のキャッチコピーでもある「ないものはない」は、「なくてもよい、大事なことはすべてここにある」という2つの意味を持ちます。このキャッチコピーを掲げ、小さな離島が逆転の発想で、挑戦を繰り返してきました。2021年夏にオープンするEntôもまさしく価値の転換に挑戦するプロジェクトとなります。
施設の設計はMOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO(東京都、代表原田麻魚)、VI(ビジュアルアイデンティティ)・ネーミング開発は日本デザインセンターが担当しています。施設は、Seamless(隔たりや境目のないこと)、Honest(正直さ、素直さ)を設計コンセプトとし、目の前に広がるジオパークの風景そのものを全身で感じられる空間設計が特徴です。
離島建築の特殊性を勘案し、CLT工法で施工します。隣接する港と同じく木の温かみを全面に表現し、島前カルデラが眼前に広がる設計となっています。現在ある宿泊施設に加え、客室・ラウンジ・テラス・研修室・収蔵庫・レストラン・大浴場を持つ複合施設となります。全36室、最大定員90名。
ジオパークである隠岐の自然の中に、人々の暮らしがあります。その自然と暮らしの中に溶け込み、探究し、地球を知り、自己を知る。そのフィールドとして島前3島の中に観光客や島民が飛び出していく。その玄関口としてEntôを機能させていきます。
「遠島という旅」を完成させるのは、島に暮らす全ての大地・自然・人ととらえ、滞在機能と、利用客を施設の外、島全体へと送り出すビジターセンター機能を兼ねてます。
同施設のターゲットは、全世界からの来島者と島民。来島者としては、探究心や知的好奇心が高く、社会課題解決への参画意識が強い、合理的だが気前の良いバックパッカー気質のファミリー。島に暮らす島民に対しては、学び・交流の施設として、暮らしに溶け込みながらも、常に新しい世界と繋がる機能を果たしていきます。
海士町 大江和彦町長は本事業に関して、
「海士町はこれまで産業振興や教育の魅力化など、島にあるものに目を向け磨き発信してきました。本事業は海士の次の100年を作る事業のひとつであり、小さな離島の隠岐が世界のタグボートとなり、地域振興から世界の平和の礎を築くリーダーになっていく、まずは第一歩です。」 としており、
同施設の運営を担う株式会社海士の青山敦士代表取締役は、
「離島観光は、他の地方都市の観光と比べても大きな遅れをとってきました。離島というハンデの中で、人口減少による人手不足、グローバル化や多様化するニーズへの対応も遅れています。斜陽化する離島観光において、その遠さを魅力として打ち出し、観光を用いて島の課題を解決し、未来への希望を掲げたいです。」と想いを込められています。
隠岐ユネスコ世界ジオパーク推進協議会の野辺一寛事務局長は、
「大地(ジオ)に包まれ、大地を感じ、そして島の人々の暮らしにふれてみる、隠岐ユネスコ世界ジオパークの楽しさ、不思議さの始まりとなる施設にしたいと考えています。」と意気込みを語っています。
>> 「ないものはない」という新しい贅沢を提案するジオパーク×ホテル「Entô(エントウ)」【観光×挑戦】島根県隠岐郡海士町(PR TIMES)
>> マリンポートホテル海士(2021年7月よりEntô ( Ento )へ)
>> ないものはない、だから見つかるもの いざ、島の新しいホテルへ(日本仕事百貨)
海士町役場 交流促進課
電話08514-2-0017
建築
株式会社マウントフジアーキテクツスタジオ一級建築士事務所
VI+ネーミング
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