御波地区の共同墓地には、百三十基もの五輪塔が 整然とあるいは乱雑に積み重ねられています。五輪塔は仏教の供養塔として宝珠形、半月形、三角形を組み合わせて造られるものです。しかし、大きさや古さが不揃いであったり、歴史的にも五輪塔を祀るほどの経済力のある豪家が居る地区ではなかったため、どのようにしてここにこれら石塔があるのかと非常に不思議がられています。また、百三十基のうち二基は屋根がけがしてあり、「エメヅドさん」と呼ばれています。「延命地蔵」がなまったものとも考えられますが、「もし村が一大事のときはエメヅドさんの下を掘ってみよ」という言い伝えがあり、まだ一度も掘られたことは無いそうです。