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キンニャモニャ宣言

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海士町発祥の隠岐民謡「キンニャモニャ」には、本町の自然と文化・人情が上手にうたい込まれています。

そこには私達が忘れかけていた「生き抜く術」が秘められています。
「キンニャモニャ」の唄に様々な願いを織り込み、第三次海士町総合振興計画の基本的な考え方を「キンニャモニャ宣言」として次のように掲げます。

この取り組みを支える町民の合い言葉が「キンニャモニャ」の囃子ことば“キクラゲチャカポン持って来いよ”です。

古老の話によれば、この囃子ことばは、
「キクらもチャカらもちょっとこいよ(キクさんもチカさんもみんな来いよ)」という意味と伝えられます。
あらゆる人々との間でさまざまな交流を進め、新しい海士町づくりに行政と住民が力をあわせて取り組みましょう。

「人は海士を訪ね、交流を重ねて海士を好きになり、この地を求めて暮らしはじめる。」
そんな願いをこの囃子ことばに込め、私たちの取り組みは歩みをはじめます。

きよが機おりゃキンニャモニャ
あぜ竹へ竹
殿に来いとのキンニャモニャ
招き竹キクラゲチャカポン
持って来いよ

みんなが汗して働いて「いいところだから来て下さい!」と招いている海士町はどんなところでしょうか!?

高い山からキンニャモニャ
谷底見れば
うりやなすびのキンニャモニャ
花ざかりキクラゲチャカポン
持って来いよ

海士町は、ありとあらゆる農作物ができる農地と、天然の良港、漁場から豊富な海の幸に恵まれ、山と海の両方から恵みを受け、自然と共に生活してきました。

丸い玉子もキンニャモニャ
切りよで四角
ものも云いよでキンニャモニャ
角が立つキクラゲチャカポン
持って来いよ

私たちは、島では当たり前のことが都会では味わえない魅力であるということに気づきました。私たちの発想を転換することにより、海士町の魅力をさらに引き出すことが可能なのです。
もう一度地場を見直し、島の特性を活かしましょう。

海士の港にキンニャモニャ
歌声すれば
老いも若きもキンニャモニャ
踊り出すキクラゲチャカポン
持って来いよ

海士町の誇りは、豊かな自然と先人達の作り上げた風土の中で、みんなが仲良く元気に、強くたくましい半農半漁の生活をしてきたことです。
そうした暮らしは、健康で長い人生をいきいきと過ごすことのできる環境を育んできました。

しかし、それだけではこれからの厳しい時代を生き抜いていけません。生き残りをかけ、まちの自立を目指していかなくてはなりません。
そのためには、海士の良さをさらに高め、町外に向けてアピールし、海士町の存在意義をはっきりと打ち出すことが求められているのです。
山と海の両方から恵みを受け、自然と共に生活するすばらしさをかみしめ、老いも若きもキンニャモニャを歌い、踊り、健康や農作や大漁を祝い、感謝する町。

そんなまちづくりを目指しましょう。

世にも珍らしキンニャモニャ
唄えやおどれ
苦労忘れてキンニャモニャ
酔うほどにキクラゲチャカポン
持って来いよ

私たちが目指すまちづくり。それは、「世にも珍しいキンニャモニャ」のまちづくりであり、その魅力にひかれた、たくさんの人々が訪れ、住民とともに「キンニャモニャ」を「唄えや踊れ若労わすれて酔うほどに」顏の見える交流を深めることのできるまちづくりです。

住んでいる人が生きがいをもっていきいきと暮らしていれば、また、地域を愛し、地域の素晴らしさを多くの人に伝える人がたくさんいれば、そのことに魅力を感じて、海士町を訪れてくれることでしょう。

そして、一度訪れた人の多くが、きっと何度も海士町を訪れてくれるようになるはずです。

とどけとどけよキンニャモニャ
末までとどけ
末は鶴亀キンニャモニャ
五葉の松キクラゲチャカポン
持って来いよ

私たちがはじめる海士の心を伝えるこの取り組みは、子供たち、さらにその次の世代へと継承していかなくてはなりません。
その心と取り組みは、未来の海士の担い手を創り、限りない生命力を持った大きな木へと成長し、豊かな実りをもたらすはずです。


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